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遺産分割協議を行う


遺言で「○○の土地は妻に」というように分割方法が指定されていれば、そのとおりに遺産を分けなければなりません。
しかし、実際に遺言書を残されている方は少ないようです。
 
では、遺言がなかった場合はどうすればよいのでしょうか?
 
被相続人が遺言書を残していなければ、残された財産を法定相続分で分けることになります。しかし、遺産が預貯金等のように簡単に分けられるものだけならばよいのですが、実際は不動産などのように法定相続分で分けるのが妥当でない財産も含まれます。現実的には不動産は相続人のうちの一人が相続するケースが多いようです。
 
このように遺言書がない場合には、具体的な財産の分け方を相続人全員で話し合って決めなければなりません。
この話し合いが遺産分割協議です。
 
そして、この遺産分割協議の結果、決まった内容を後々のトラブルを防ぐために相続人全員がで署名し、実印で捺印をした書面を残します。
この書面のことを遺産分割協議書と呼んでいます。
遺産分割協議書は必ずしも作成する必要はありませんが、不動産を相続人の一人が相続する場合など、名義変更をする際に必要になります。また、後々のトラブルを防ぐためにも作成すべきでしょう。
 
       


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遺産分割協議の進め方


 遺産分割の前提として
 
遺産分割協議を行う前提として、次のことを決めておかなければなりません。
 
まずは、相続人が確定していることです。遺産分割協議にはすべての相続人が出席することが必要で、相続人をひとりでも欠いた協議は無効となります。一部の相続人が遠方に住んでいて、協議に参加することが難しい場合は、電話連絡や郵便での書類のやり取りなどの方法で行うこともできます。
 
次に、相続財産の範囲と評価額が確定していることです。相続分にしたがった遺産分けをするには、個々の財産の評価がいくらなのかを決めておかなければなりません。
 
 相続人が未成年である場合
 
未成年者が財産に関する法律行為をする場合には、法定代理人である親権者が代理することになっていますので、父(または母)が亡くなった場合は母(または父)が法定代理人として子を代理することになります(民法824条)。
 
しかし、母(または父)と子が共に相続人である場合は、両者の利害は対立する関係(利益相反関係)にありますので、母(または父)が子を代理することはできません。
この場合は、家庭裁判所に対して、未成年者の子のために特別代理人の選任の申し立てが必要となります。その特別代理人が、未成年の子に替わり代理人として遺産分割協議に参加することになります。
 
なぜ、特別代理人の選任が必要かといいますと、もし、母(または父)がそのまま子を代理したとすると、自分に有利に協議を進める恐れがあるからです。
 
 相続人に胎児がいる場合
 
胎児は、相続については既に生まれたものとみなされます(民法886条1項)。つまり、被相続人の死亡時にまだ生まれていなくても、無事生まれたら相続人として遺産分割の当事者となります。ただし、死産であった場合は相続権はなかったことになります(民法886条2項)。
 
よって、出生を待たずに行った遺産分割協議は、無事生まれた場合には、相続人の一部を欠いたものとして無効とされますから、遺産分割協議は出生のときまで待つべきでしょう。
この場合も、親権者と共同相続人であれば、子に対して特別代理人の選任が必要となります。
 
 特別受益
 
被相続人から生前に、マイホームの資金を出してもらったり、、開業資金を援助してもらったりと、特別の利益を受けている相続人のことを特別受益者と呼んでいます。
 
このような生前の贈与は、「遺産の前渡し」とみられ、これを無視して遺産分割を行うと、特別受益者と他の相続人との公平を保てなくなってしまいます。そこで、特別受益者が受けた贈与の額を相続財産に加算して(このことを持戻しといいます)、その額をもとに各相続人の相続分を決めることになっています。
 
特別受益を加味して、法定相続分で遺産分割をした結果、特別受益者の相続分がマイナスとなることもありますが、このような場合は相続分がゼロになるだけで、もらいすぎの分は返さなくてもよいことになっています。
 

   特別受益になるおもなケース
       @ 住宅の取得資金を援助してもらった
       A 独立開業のための資金を援助してもらった
       B 結婚の際に持参金や支度金をもらった

       C 遺贈を受けた

 
 寄与分
 
たとえば、父親の営む商売を無報酬で手伝ってきたとか、資金援助やまたは療養看護などにより、被相続人の財産形成に特別の貢献をした相続人については、その度合いに応じて相続分が増加することになっています。これを寄与分と呼んでいます。
寄与分が認められるのは相続人だけで、相続人でない人が事業資金の援助などをしていたとしても、遺産から寄与分はもらえません。
 
寄与分は「特別の寄与」でなければなりませんので、夫婦間や親子間の通常の助け合いは対象になりません。
 
寄与分の額については、相続人の話し合いにより決めることになっています。
 

 寄与分が認められる人は?
 次の方法により、被相続人の財産の維持・増加に貢献した相続人
      @ 被相続人の事業に関する労務の提供した人
      A 被相続人の事業に関して財産上の給付をした人
      B 寝たきりで、自宅療養していた被相続人の看護に努めた人

 
 遺産分割協議
 
遺産分割協議には全員が集合して行うことが望ましいですが、遠方に住んでたり、仕事の都合であったりで全員がそろうのは難しいと思います。協議は必ずしも全員が集合して行う必要はなく、電話などで連絡を取り合って進めることも可能です。
 
ただし、協議の成立には相続人全員の合意が必要です。また、いったん成立した協議は一方的には解除できませんので注意が必要です。ですので、全員が納得できるまで十分に話し合いましょう。
 協議が成立すれば、遺産分割協議書を作成します。
 
何度話し合っても協議がまとまらなかったり、協議への参加を拒む相続人がいる場合には、家庭裁判所の調停を利用するとよいでしょう。

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